もりおさん佳作受賞/児童文学ファンタジー大賞
宮古上布の工程モチーフに
市下里在住で文芸活動に取り組んでいる友利昭子(もりおみずき)さんが、第19回児童文学ファンタジー大賞(絵本・児童文学研究センター主催)の佳作を受賞した。8日、最終選考の結果が本人に電話で知らされた。最終選考(3次)に残った4作品のうち、3作品が入賞。友利さんの作品「かしかけ」は今回の受賞作では最高位の佳作を受賞した。宮古上布を作成する工程をモチーフに養護学校で成長した主人公、大嶺かし子(中3)が織りなす友人嘉数マオとの体験をファンタジーにしたためた。
同ファンタジー大賞は児童文化の新たな模索と後世に伝承しうる作品の創造を目指し、文化向上の一助となすことを目的として1995年に創設された。過去19回の選考うち、大賞が出たのは第1回と第3回の2回のみ。公募による文学賞の中でも極めて難易度の高い賞で知られている。
受賞の知らせを受けた友利さんは「とてもうれしかった。1次選考から3次選考に残っていく過程で、多くの著名な選考委員に読んでもらえることにも喜びを感じた」と受賞の喜びを語った。
作品「かしかけ」に対して友利さんは「苧麻を巻き取る工程を題とした。物語の中で、主人公の友人マオは亡くなっているが、多くの人が過去から未来に向けて幸せになるために今を生きているというふうに希望が持てる明るい方向で物語を締めくくった」と説明した。
同賞の受賞式は11月に北海道小樽市で開催される。