男性ら豪快にクイチャー/豊作豊漁を祈願
池間、佐良浜、西原 ミャークヅツ始まる
平良池間、伊良部佐良浜、平良西原の伝統祭祀「ミャークヅツ」が25日、始まった。池間と佐良浜では地域住民が豪快なクイチャーを踊って向こう1年の豊作豊漁、子孫繁栄を祈願した。きょう26日は西原の住民が集落内でパレードやクイチャーを行う。
ミャークヅツは、旧暦8月か9月の最初の甲午の日に行われる3地区最大の行事。池間民族の元島・池間島や同島から分村した伊良部佐良浜、平良西原の住民がクイチャーを中心とする地域特有の祭りを開き、豊作と豊漁、子孫繁栄に伴う地域の発展を願う。
池間島のミャークヅツは初日から盛大。真謝、上げ桝、前ぬ屋、前里の各ムトゥ(元家)ウヤらが水浜広場に集まってクイチャーを開始。「ヒヤサッサ」の掛け声とともに男性も女性も笑顔で踊った。
男性は青い法被を着て頭に鉢巻きを巻くミャークヅツスタイルで参加。吹き出す汗を豪快に拭いながら躍動感あふれるクイチャーを披露して祭りを盛り上げた。
着物姿の女性は二重の円の内側で優雅に踊り、島の発展に願いを込めた。
数え55歳を迎えた新入生は約30人。各ムトゥの新入生は夜が明ける前から集合し、先輩たちに振る舞う酒や料理を準備した。
前里ムトゥの新入生川上保さんは「入会できて最高の気分」と笑顔。「大先輩方の前で緊張したが、みんなでクイチャーを踊ることができてうれしい。これからも先輩方とともに島の発展のために頑張りたい」と喜びと決意を話した。
池間島のミャークヅツはきょう26日も続く。
伊良部佐良浜のミャークヅツは、旧池間村(現池間添)と旧前里村(現前里添)のそれぞれの拝所前広場で行われ、向こう1年の豊作豊漁を祈願した。
池間添では数え年47歳が37人、前里添では50歳のミーウヤ(新入生)30人が参加。ミーウヤたちはそれぞれの広場でクイチャーを踊り、これまで無事に過ごしてきた日々に感謝するとともにこれからの健康を祈願した。
ミーウヤたちの躍動感あふれる踊りの
輪ができると、周りで見ていた人たちも加わり、踊りの輪は次第に大きな円となった。
池間添は背中に「愛」と書かれた青色のシャツを着用。前里添は緑色のシャツと黄色の法被を着て祭りを盛り上げた。
池間添のミーウヤの具志堅菊一さんは東京都から参加。「とにかく楽しい。久しぶりに友人たちと期間中は盛り上がりたい」と笑顔で話した。
前里添のミーウヤの久貝秀人さんは神奈川県から駆け付けた。「こんな祭りは全国どこにもない。大切に継承していきたい」と述べた。