ヤシガニ捕獲を全面禁止
絶滅危惧種の保護へ
宮古島市ヤシガニ保護推進協議会が27日、市役所平良庁舎で開かれ、ヤシガニの捕獲が全面禁止となる保護区として城辺七又、平良池間、同間那津、下地来間の一部地域を選定した。保護監視員を置くことも確認し、絶滅が危惧されているヤシガニの保護策を積極的に推進する。保護区は市が最終的に決定する。
ヤシガニ保護条例は昨年1月に施行され、市内全域で甲長8㌢未満および同12㌢以上のヤシガニの捕獲が禁じられている。また、6月1日から8月31日までの間は大きさを問わず捕獲することができない。
保護区に指定された地域では、期間、大きさに関係なく、すべてのヤシガニの捕獲が禁止される。
この保護区を27日の協議会で選定した。城辺七又地区を中心とする保護区の総面積は777平方㍍。東平安名崎の岬入り口付近からインギャーに向けての海岸線一帯が対象となる。
池間地区は北海岸側が対象区。池間伊江端から前里池津までの208平方㍍が指定される方向だ。
間那津地区は301平方㍍で、市海業センターを含む海岸線。来間島は南東の海岸で来間漁港から長崎浜の総面積314平方㍍の区域を保護する。
4カ所とも指定区域は海岸線になるが、範囲は一周線などの道路から海側部分のみ。ヤシガニの個体数が多く、良好な海岸林が形成されている地域を保全してヤシガニの絶滅を防ぐ。
協議会ではこのほか、保護区におけるヤシガニ保護監視員設置要綱も検討。報酬などさらに細部を詰めていく方針を確認した。
協議会設立趣意書によると、ヤシガニ(方言名・マクガン)は、乱獲で絶滅の危機に瀕しており、環境省および県の絶滅危惧種Ⅱ種に指定されている。
このような状況を受けて市は保護条例を制定。違反者には10万円以下の罰金を科している。保護推進協議会は宮古島市、県、有識者で構成されており、ヤシガニの保護策を多角的に検討して提言する組織。