爆発・ごう音、危険を体感
保安意識を高める/高圧ガス防災訓練に100人
宮古地区の高圧ガス防災訓練が2日、宮古島市消防本部で行われた。高圧ガス関係事業所の社員ら約100人が参加し、燃焼・爆発実験を通してガスの危険性を再確認した。併せて緊急措置訓練を実施、緊急時や災害時の対応を通して防災の決意を新たにした。
この訓練は、県と県高圧ガス保安協会が防災活動の充実と保安意識の高揚を図るために開催した。高圧ガスの製造、
販売および消費事業所における高圧ガスの災害を想定し、その拡大防止を目的に関係事業所の従事者が訓練に当たった。
訓練に先立ち、県宮古事務所の安里肇所長が主催者あいさつし、「高圧ガスは私たちの日常生活に欠かせない」としながらも、取り扱いによっては爆発や火災を引き起こす可能性があると指摘。「災害を未然に防ぐためには安全機器の点検および整備、効果的な訓練が重要になる」と述べた。
この後、訓練を開始。はじめに高圧ガスの燃焼実験を行い、LPガスや酸素ガス、液体酸素、アセチレンガスを燃焼させてその特性と危険性を確認した。
参加者を驚かせたのが酸素とアセチレンガスを混合させて燃焼させる実験。この混合ガスは引火とともに大爆発を起こし、訓練会場周辺にけたたましいごう音を響かせた。数十㍍離れている場所に立っていても爆風を受ける強さで、参加者はそのすさまじい威力と危険性を体感した。
この後、緊急措置訓練を行った。酸素とアセチレンガスの容器を積載した配送車両が事故に遭ったことを想定。負傷者の救助やアセチレンガスへの引火に伴う消火活動など、関係事業所と消防が連携した。
また、地震発生を想定した訓練も実施し、災害対策本部からの要請に基づく避難所へのLPガス応急供給訓練などで意識を高めた。
訓練班以外の参加者は訓練の様子に見入り、緊急時および災害時における対応を再確認していた。
訓練の講評で、県高圧ガス保安協会の喜納政次専務理事は「燃焼実験は説明を含めて分かりやすくできていた」と評価。一方、緊急措置訓練では▽消防との連携▽災害時における担当者の指示-に課題があったとして強化を求めた。