農業被害1億7500万円/台風23号
キビが95%占める
5日の昼すぎから6日の昼すぎにかけて約23時間、宮古島地方を暴風域に巻き込んだ台風23号に伴う農業関係の被害額は1億7500万円(宮古島市1億5600万円、多良間村1900万円)=速報値=に上った。作目別の被害額はサトウキビが1億6600万円と最も大きく、全体の95%を占めた。宮古島市や多良間村などが7日発表した。
サトウキビは台風の風向きの変化であちこちの向きに倒れた。乱倒伏といい、根の付きが弱まったキビは、枯れることがあり回復力も弱い。梢頭部の折損は少ないものの、葉の多くがざやざやに裂けた。
サトウキビの被害面積は4764㌶で被害率は、3・0%。作型別の被害率は、株出が3・9%と高い。被害額の市町村別内訳は宮古島市が1億4700万円、多良間村が1900万円。
野菜の被害は露地作物に目立ち、施設野菜は植え付けが本格化する直前だったため、少なかった。
被害総額は、830万円。露地野菜のオクラが最も多く287万円だった。メロンの149万円やトウガンの115万円も多かった。
オクラは葉のちぎれた茎を切り戻して、その後に新しく育つ茎に実を付けるまで約1カ月間の生産ロスも被害額として算出した。多良間村における野菜の被害は、報告されていない。
農業関係施設では、73万5000円の被害があった。上野ではパイプハウス4棟(1棟2・5㌃)が損壊し、使用不能になった。
水産業関係の被害は、27万円に上った。久松漁港では、海ブドウ養殖施設の窓が破損した。