公費助成も接種者少なく/風しんワクチン
8月は30人 市、積極接種を呼び掛け
昨年、今年と首都圏を中心に風しんが大流行していることを受け、宮古島市(下地敏彦市長)は7月から風しんワクチンの公費助成を行っているが、これまでの接種者が少なく市では対象者に対して積極接種を呼び掛けている。
市健康増進課によると、公費助成が始まった7月は75件の接種者がいたが、8月は一気に落ち込みわずか30人と落ち込んでいる。
市によると、市民の対象者数は1万9000人で、そのうち約500人分となる300万円を今年度予算措置している。
対象は宮古島市民で過去のワクチン接種率が低いとされる年代が含まれる19~50歳(1963年4月1日生まれ~94年4月2日生まれ)と妊婦の配偶者(年齢問わず)となっている。
同課では「1カ月約100人程度の接種者を見込んで予算措置したが、なかなか接種件数が伸びない。公費助成は、今年度末までなので対象者はぜひ、年度内に接種してほしい」と呼び掛けた。
風しんの単独ワクチンの費用は5000円、MR(麻しい風しん混合ワクチン)は8000~9000円で、単独については3000円、MRは6000円を市が助成する。
これにより、接種する場合の自己負担分は医療機関により異なるが2000~3000円。市内15の医療機関で接種できる。
また、公費助成以前に自己負担で予防接種した費用の払い戻しは対応していない。
公費助成の開始当初は、首都圏の大流行を受けてワクチンの品薄を懸念し、供給が安定するまでの間は妊婦の配偶者および同居家族、妊娠を希望する人や妊娠の可能性の高い人を優先的に接種を行うとしていたが、現在はワクチンも安定供給されていることから対象者に対して積極的な接種を呼び掛けている。
宮古福祉保健所管内では、首都圏からも多くの観光客が訪れた5月のゴールデンウイーク後に2件(30代男性と20代女性)の発生届出があった。
風しんは風しんウイルスの飛沫感染(だ液のしぶき)などで感染する。症状は、発疹、発熱、リンパ節の腫れが主症状だが症状が現れないこともある。
一度かかると大部分の人は生涯風しんにかかることはないが、特に妊婦初期の女性がかかると、胎児が風しんウイルスに感染し難聴、心疾患、白内障等の障害を持った子を出産する可能性がある。