病の最新情報を提供/市民対象に公開講座
難聴、パーキンソン病主題/宮古島神経科学カンファレンス
宮古島で開催された神経科学分野の研究会「第1回宮古島神経科学カンファレンス2013」の関連行事となる公開市民講座が23日、県宮古合同庁舎で開かれた。国際福祉医療大学病院耳鼻咽喉科教授の中川雅文氏が「きこえと耳を守るため」、秋田県立脳血管研究センター神経内科診療部長の前田哲也氏は「パーキンソン病を学ぼう」をテーマに講演を行った。
同カンファレンスは、国内外で活躍する研究者や臨床家らが参加して22、23の2日間、市内ホテルで開催された。公開市民講座は今回の機会を利用し、病気などについての最新の情報を市民に提供することなどを目的に開かれた。
中川氏は、糖尿病など生活習慣病の人は健康な人より難聴になるリスクが高まること、難聴の人は人の話を聞くことが面倒になり引きこもりがちとなり、その結果、聞く力が衰えるだけでなく、放置していると認知症になる恐れもあること、75歳以上の2人に1人は補聴器が必要なレベルであることなどを指摘。「難聴の人は補聴器を付けて認知症に立ち向かってほしい」と呼び掛けた。
前田氏はパーキンソン病について、中脳にある黒質の神経細胞に異常が生じ、手足などの動きをなめらかにするドーパミンという物質を放出できなくなることによって発症する病気と説明する。患者数は年々増加していて、2011年度の国内患者数は約14万5000人に上ること、症状としては手足の震えや動作の鈍化、手足の強ばり、転びやすくなるなどを挙げた上で、治療が可能な病気であることを強調。「治療の主役は患者。長い付き合いとなる病気だがぜひ頑張ってほしい」と訴えた。
会場には医療関係者や市民ら約100人が来場。両氏の講話に真剣な表情で聞き入っていた。