漁民ら盛大に旧正月/大漁旗掲げ安全祈願
親戚、友人集い新年祝う
漁業のまちの佐良浜や池間、久松では31日、旧暦の年の始まりを祝う旧正月が盛大に行われた。佐良浜漁港では青空の下、数十隻の漁船に日の丸や大漁、航海安全を祈願する色鮮やかな旗が掲げられ旧正月ムードを盛り上げた。各家庭には親戚や友人、知人らが集い、豪華な料理を囲みながら酒を酌み交わして楽しいひとときを過ごした。
一昔前まで宮古では、新・旧の正月が盛大に行われていた。しかし、1950年代の後半から新正月一本化運動が展開されて新正月中心に変わり、旧正月は旧暦と仕事や生活が密着する漁村だけに残った。
佐良浜前里添の伊佐康信さん宅には1950(昭和25)年生まれの同期生たちが集まり、思い出話に花を咲かせながら旧正月を祝った。
伊佐さんは「3年前から旧正月は同期生たちの家を順番に訪問しながら祝うことにしている。旧正月は友人たちとの絆を深める特別な日にもなっている。これからも同期生たちと盛大に祝いたい」と笑顔で話した。
伊佐さん宅に訪れた同期生たちからは「佐良浜でも旧正月は年々衰退している。こうして友人宅をめぐりながらお祝いをすればそれが広がってまた旧正月が地域全体で盛り上がることになると思う」と話した。
この日、伊良部島に向かうフェリーの中では、お祝い用の酒やオードブルなどの料理を持った客が多く見られた。
旧正月を祝う各家庭のテーブルには、イカやタコ、魚の刺身や豚肉、豚ソーキなど正月ならではの料理が並び、にぎやかな一日を過ごしていた。