「災害用特設電話」で協定書/市とNTTが締結
市内30カ所の避難所に設置
大規模災害時等に避難所に設置する「災害用特設電話」の設置・利用に関する締結書の締結式が3日、市役所平良庁舎で行われ、宮古島市(下地敏彦市長)とNTT西日本沖縄支店(兒玉光生支店長)が協定書に調印した。今回の締結により地震、津波、台風等の災害発生時に市内30カ所の避難所に電話回線30回線が確保され、避難時の安否確認や連絡などに活用される。同支店との協定書締結は県内で9番目。
締結式で下地敏彦市長は「避難した人は自分の無事を家族や親せきなどに伝えたいと思うが、災害時は電話がなかなか繋がらないという状況になる。そうした中で優先的に使える災害用電話があるということは市民の安心安全のためにも心強い。NTTの協力に本当に感謝している」と述べた。
同支店の加藤浩嗣設備部長は「この取り組みは東日本大震災が発端で、避難所に非難された住民のために少しでも早く通信ができる環境を構築して安心してもらうことが目的。災害時に一番大事なのは平時の備え。各自治体としっかり連携し、今後もこの取り組みを継続していきたい」と述べた。
加藤部長によると、西日本全体における同電話の設置状況は昨年の12月時点で約4500カ所に設置し、回線数は約1万回線。県内では41自治体のうち今年度中に19自治体と協定を締結し、次年度に残りの22自治体と協定書を締結する予定となっている。
災害用特設電話は、災害等発生時に速やかに通信を確保・提供するため、屋内避難所などに設置するもの。
電話回線をあらかじめ設置してあるため、電話機を接続するだけで利用でき、避難している人たちの通信を確保し、安否確認等の連絡に活用する。
通話料金・月額基本料金はNTT西日本が負担するため無料で活用でき、災害時の優先電話となることから、通常の電話よりも繋がりやすくなっている。
宮古島市における設置箇所は、各庁舎のほか、小中学校など30カ所となっている。
同支店との協定書締結は宮古島市が県内で9番目。今年度中には多良間村とも締結し、村内4カ所に災害用特設電話を設置する予定となっている。