下大豆復活させよう/いけま福祉支援センター
耕作放棄地に種まき
在来種の下大豆(池間方言名ウツマミ)を復活させようと、いけま福祉支援センター(前泊博美理事長)は4日、宮古総合実業高校の農業クラブの生徒9人を招待し、耕作放棄地を再生した畑で下大豆の種をまいた。初めて体験した生徒たちは、丁寧に種をまきながらを大きく実るよう願った。11月に収穫する予定。天日乾燥させた後、昔の農具の一種である脱穀棒を回転させながらたたいて脱穀し、みそや豆腐の原料に使う。
池間島のアマイ・ウムクトゥに学ぶプロジェクトの一環。下大豆が、高齢者の知恵や暮らしの技術、島の在来作物や原風景を復活させる「よみがえりの糧」となるよう、島の高齢者と次世代の共同で進めていくのが目的。
下大豆は、古くから琉球で栽培されているマメ科作物。種子は大豆よりひと回り小さい。草丈は40~50㌢あり横に広がって成長する。昔は旧暦10月に収穫したことから「十月マミ」と称していた。
講師に地域で農業を営んでいる前泊勤さん(89)が招かれ、生徒たちに種まきの方法を指導した。参加した農業クラブの生徒は2年1人、1年8人。
前泊さんは「若い人が種まきを体験して良かった」と満足した様子の表情を見せていた。
2年の下地恵美梨さんは「種まきは楽しかった。収穫と脱穀が楽しみ」と笑顔で語った。
アマイ・ウムクトゥ
池間島の方言。島で生きてきた高齢者の生きる知恵、生きる力、生きる思想を指す意味。