伝統祭祀から災害学ぶ/電通がナーパイ視察
津波防災アクション
広告代理店大手の電通が8日、城辺砂川地区の津波よけ神事「ナーパイ」を視察した。同社は東北大学などと連携して独自の防災アクションを展開。今回の視察では、地域の災害の歴史と防災意識を調べた。
電通は2011年秋、宮城県の河北新報社や東北大学災害科学国際研究所と連携して津波防災アクションをスタートさせた。
掲げたミッションは三つで、①津波避難における地域課題の解決②持続的・習慣的に実施される津波避難訓練プログラムの開発③国内外への津波避難訓練プログラムの普及・拡大―。これを実践して防災意識を高め、広く国内外で「避難する文化」の醸成を目指す。
今回の視察活動に参加したのは松島俊輔さん、荒卓也さん、野呂裕樹さん、山口憲介さんの4人。ナーパイが行われた砂川の上比屋山に入り、神事の進行を間近で取材して厳かな伝統祭祀の雰囲気を体感した。
視察活動を終えて松島さんは「昔の災害がいろいろな形で地域に残っているということが分かった。津波という災害と隣り合わせで生きてきた人々がいるという現実が印象的だった」などと振り返った。
一方で、伝統祭祀への関心が薄れている現状を目の当たりにし「人々の生活が変わる中での継承の難しさがある。その時代に合った防災のあり方が問われてくると思う」と語った。
松島さんらが今回取材した内容は、津波防災アクション「カケアガレ!日本」のWEBサイトなどで公開される予定。