「親の仕送りで生活」自立にはほど遠く
宮古島市14年度予算を家計に置き換え
宮古島市は2014年度当初予算(一般会計)を年間に必要な生活費500万円の家計に置き換えて算出した。それによると、自ら稼いだ給料(市税)は60万円、臨時収入(負担金・使用料など)30万円で、足りない分は親からの仕送り(地方交付税、各種交付金など)に頼っている。ローンを組んだり、預貯金を取り崩したりするなど、自立にはほど遠いのが実情だ。
市の予算書は500㌻以上に及び、市民がこれを理解するのは至難の業。
このため市は、市民に予算を身近に感じて関心を持ってもらおうと、数年前から家計簿に置き換えて市の広報誌で紹介している。
市の14年度の一般会計当初予算は、歳入歳出総額367億4800万円で過去最大規模となった。
これは、中央図書館等建設に向けた実施設計費や用地購入費、スポーツ観光交流拠点、ごみ処理施設等整備事業などの大型事業の導入で、国庫支出金(親から特別にもらう仕送り)が前年度に比べて増加したことなどに伴うもの。
さらには、生活保護費などの社会保障の伸びなども要因となっている。
市の予算を家計簿にした場合、収入で最も多いのが親からの仕送り、次に親から特別にもらう仕送り(小遣い)で、二つ合わせた金額は350万円。全収入(500万円)の70%を占めている。
公共事業などの資金として長期に借り入れる市債(ローン借入)が65万円で、年額給料(60万円)を上回っている。
一方、支出を見ると、人件費に当たる「食費」が90万円、委託料や使用料、物品調達などの物件費に当たる「光熱水費、通信費」は64万円となっている。
食費や光熱水費などは年々切りつめて少なくしているが、自宅(公共施設など)の増改築や修繕費が148万円と多額で家計を圧迫している。
資産を見ると、預貯金の総額が129万円あるが、ローンの残高が490万円あり将来に不安を抱えている。
安谷屋政秀総務部長は「市の財政は国や県に援助してもらわなければ自立できない状況。市の予算も家計簿も仕組みは同じ。市民生活に密着しており、身近に感じてもらえれば幸い」と話している。