鳴き声に耳すます
ツマグロゼミ観察会/上野新里の子供たち
上野新里集落の子ども会(佐渡山公平会長)は21日、同集落内のツマグロゼミ増殖施設周辺で同セミの観察会を開いた。ツマグロゼミは市指定の天然記念物で、梅雨のころ出現する。宮古では生息地が新里や城辺の砂川、友利などに限られる「絶滅の危機にある地域個体群」。観察会は希少なツマグロゼミの生態を知ってもらい、保護につないでいく狙いで毎年開いている。
観察会には親子合わせて、20人以上参加した。
ツマグロゼミは屋敷木のイスノキに主に生息する。体長19~28㍉の小型のセミで、だいだい色や青緑色などの体色が美しい。頭を下に向けて木に止まり「シー、シー、シー」と鳴く。新里の方言では「ヌスピィガーラ」と呼ぶ。
子供たちは耳を澄ませて鳴き声を聞き、その方向に目をこらして姿を探したが見つからなかった。
上里玲遠君(上野小4年)は「週に2回ぐらいは家の近くで見る。体の色が美しい。きょうは見られなくて残念」と話した。
ツマグロゼミ増殖施設は屋敷を囲っていたイスノキがブロック塀に変わり、生息数が激減したことを受けて、旧上野村が保護を目的に1996年に設置した。