池間島全域に罠設置/野ネズミ被害
被害軽減へ本格調査
池間島でサトウキビを食い荒らす野ネズミの被害が深刻化している問題で、宮古島市農政課など関係団体は15日、全島での捕獲作業を開始した。島の全域35カ所に仕掛けた罠で野ネズミを捕獲し生息数や生態、分布域を調べながら被害の軽減を図る。捕獲状況は地元自治体が調べて回る。
野ネズミは宮古全域に生息するが、とりわけ池間島における被害が深刻だ。同じ宮古地区だが、本島と池間島では被害率にくっきり差が出るという。
外来種で雑食のクマネズミがサトウキビを食害しているとみられるが、他地区に比べて被害率が高い原因は分かっていない。
食害を受けたサトウキビは立ち枯れて収穫できない状態になる。池間島では多くの農家が被害を受けており、中には大部分を食い荒らされて収穫を放棄した農家もいるほどだ。
被害の拡大を受けて、市農政課など関係団体は駆除対策を強化。薬剤を空から散布したり、人の手でまいたりしているが、目に見える形で成果が表れていないのが現状だ。
島全体で罠を仕掛ける作業も防除対策の一つ。市農政課や県病害虫防除技術センター、地元自治会が大小2種類の罠を計35カ所に仕掛けた。大きい方の罠はネズミ数匹を捕獲することができるという。餌はトウモロコシ、魚肉、薬剤ヤソヂオンの3種類を入れた。
罠は常にチェックして捕獲状況を調べる。その上で野ネズミの種類、生態、生息域の実態を分析し、今後の被害軽減策に生かす。
市農政課では「葉っぱの野積みをしないように」と訴え。野積みされている葉殻がネズミの巣になっている可能性を指摘し、葉殻はそのまま畑にすき込むよう呼び掛けている。