栽培実証施設が起工 ポットファーム
新しい農業の形態に期待
宮古島市のポットファーム栽培実証施設が21日、上野野原で起工した。この実証施設では1鉢ずつ独立したポットでトマトを栽培する。コンピューターで生育を管理し、クリーンエネルギーを活用する新しい農業の形態を実証する。
施設は今年度内に完成。来年8月には植え付けを始める見通しだ。同日の地鎮祭には下地敏彦市長をはじめ工事関係者が出席し、期間中の工事の安全を祈願した。
事業費は1億3700万円。実証栽培施設は鉄骨ハウスで本体面積は1150平方㍍、作業管理棟は94平方㍍となっている。
太陽光発電や風力発電システムを導入し、クリーンエネルギーを活用したコンピューター管理による新しい農業の実証を行う。
具体的には室内に設置する感知器がハウス内の状態を的確に把握し、温度管理や施肥の時間、水まきのタイミングまで知らせてくれる。適切な栽培方法を一度確立すれば、コンピューターにインプットされた栽培情報に従って安定的な生産が可能になる。台風などの自然災害にも強いため、天候に左右されない園芸作物が栽培できるのも特徴の一つだ。
この施設でトマトを栽培する研修生を2~3人公募する。新規就農青年給付金を受けている人らを優先して受け入れ、将来的には自立を促していく。
地鎮祭では下地市長や工事関係者がくわ入れの儀式などを行い、工事期間中の無事故無災害を祈った。
下地市長は「すべてをコンピューターで管理するシステム。ここで栽培する人は新しい技術を習得し、将来は自らハウスをつくって経営につなげてほしい。新たな農業の展開になる。それぞれが夢を持って努力を続けてほしい」と述べ、施設整備に伴う担い手の育成に期待を込めた。