15年度予算1440億円/沖縄公庫
世界水準のリゾート地形成を推進
【那覇支社】沖縄振興開発金融公庫(譜久山當則理事長)は15日、2015年度当初予算を発表した。総額(貸付、出資)は1440億円で、前年度当初比2億円の増。世界水準の観光リゾート地の形成を推進するため、新制度「沖縄観光リゾート産業振興貸付(仮称)」を創設した。
新たな制度を創設した目的の一つ目は、沖縄の歴史や自然、文化などの多様で魅力ある地域資源を活用した、高付加価値型観光の戦略的な展開などを行う観光関連事業者を支援する。
二つ目は、沖縄のリーディング産業である観光リゾート産業のさらなる振興を図り、沖縄振興の基本方向である「民間主導の自立型経済の発展」を大きく前進させる。
貸付対象は、観光リゾート産業の振興に寄与する事業を行うもので、対象資金は産業開発資金、中小企業資金、生業資金。
資金の使途は各種ツーリズムの推進、多様な滞在ニーズへの対応、安全、安心、快適な旅行環境の整備を目的とした①観光拠点施設関連事業(テーマパーク、動植物園、水族館など)②地域資源活用型観光関連事業(スポーツ・レクリエーション、エンターテイメント、ウエディング、伝統工芸体験など)③宿泊関連事業④交通関連事業⑤旅行、サービス関連事業⑥情報通信関連事業⑦飲食・小売事業-などとなっている。
15年度予算の事業計画の貸付は総額1420億円で内訳は▽産業開発資金510億円▽中小企業等資金680億円▽住宅資金90億円▽農林漁業資金50億円▽医療資金40億円▽生活衛生資金50億円-となり、前年度当初計画と同額となっている、
企業等に対する出資は、沖縄におけるリーディング産業の支援を強化するため、前年度当初計画より2億円増の17億円を計上。新事業創出促進出資は、前年度当初計画と同額の3億円を確保した。
沖縄公庫では15年度の予算案について、引き続き、沖縄の優位性を生かした民間主導の自立型経済の発展に向けて、国や県の沖縄振興策と一体となった政策金融の取り組みを推進することを強調。観光リゾート産業の振興や沖縄の特区・地域制度にかかる金融支援の強化、農林水産物の沖縄ブランド確立に向けた6次産業化の推進、中小・小規模事業者等の経営基盤強化支援に重点を置いたとしている。