伝統の旧正月盛大に祝う/佐良浜など、大漁旗はためく
航海安全、子孫繁栄を祈願
伊良部大橋開通(1月31日)以降、初めて旧暦1月1日に当たる「旧正月」の19日、快晴の下、旧暦を重んじる伊良部の佐良浜地区では漁船に鮮やかな大漁旗を掲げ、向こう1年間の航海安全、大漁を祈願した。住民らは、先祖にごちそうを供えて親族で祝ったり、友達同士で盛大に祝杯を上げるなど、新年の喜びを分かち合った。
この日は佐良浜地区のほかに、平良の池間地区などでも伝統の旧正月を祝っ
た。休漁中の各漁船には大漁旗がはためき、旧正月ムードで一色。漁師らは、早朝から船霊(ふなだま)様に神酒や海の幸を供え、旧年中の航海安全などに感謝した。
このうち、佐良浜地区では、本家に分家の関係者らが盆にごちそうを乗せて訪れ、そのごちそうを神棚や仏壇に供えた。先祖に手を合わせて子孫繁栄を報告。祈願後、ごちそうを下ろして全参加者で舌鼓を打った。
佐良浜に住む1950(昭和25)年生の同窓生でつくる旧4分会(長嶺政二会長)は、参加者7人の家を順番に訪問し、旧正月を心ゆくまで楽しんだ。
同窓生の仲松政信さん宅では、仲松さんが新年のあいさつ。「この1年、お互いに上等な年を迎えられるよう健康で過ごしましょう」と述べ、屋号「仲松屋」の繁栄を祈念した。
この日は平日のため、宮古本島に住む伊良部出身の家族らは午後5時以降に車で大橋を渡り、実家や親せきの家で旧正月を満喫した。