家、車など獅子で厄払い/城辺比嘉
旧二十日正月祭で豊年祈願
城辺比嘉自治会(砂川雅一郎会長)の「旧二十日正月祭」が旧暦1月20日に当たる10日、比嘉集落で行われた。2頭の獅子がリフォームされた家や、大型農機具を購入した人の家を回って厄を払った。地域住民は公民館に集まってクイチャーを踊り、向こう1年の豊作と無病息災を祈願した。
祭りは午後2時すぎに始まった。はじめに砂川会長が「102年の歴史がある旧二十日正月祭。子孫繁栄、五穀豊穣、無病息災などを祈願する獅子舞。盛大に祭りを盛り上げてほしい」とあいさつ。
続いて2頭の獅子を先頭に、クロツグ(方言名・マーニ)の草の冠を頭に載せた住民が公民館の周囲を3周して厄払いをした。
この後、集落内を一回りして比嘉全体の厄を払った。引き続き、家屋をリフォームし今年2月に引っ越してきた人と中型トラクターを購入した人の家を訪問し、獅子舞などを披露し、厄をはらった。
今年2月に平良から越してきた大久保利教さん(50)は厄払いを終え「多くの人たちに祝ってもらい、とても感動した。厄も払ってもらい、これからは集落の皆さんと頑張っていきたい」と夫婦で喜んだ。
比嘉自治会によると、旧二十日正月祭は1913年に始まったとされる。明治時代、字有地財産を巡って訴訟に発展した士族と平民の争いの解決(和解)が旧暦1月20日だったことから同日を記念日に設定。獅子舞や競馬、角力などが行われるようになったという。
祭りに先立ち、高腰城趾復元に関するのぼり旗や横断幕などが贈呈された。また、自治会用の広報掲示板も贈呈され、関係者が除幕した。