多良間でベニバナ満開
鮮やかな色で島彩る
【多良間】タラマバナ(多良間花)の異名を持つベニバナ(紅花、キク科)が多良間島で先月から開花し、4月に入ってから見頃を迎えている。花は咲き始めは真っ黄色だが、徐々に紅色に変わり、鮮やかな色で風景を彩っている。
染料原料や観賞植物として非常に価値が高い。紅花は「こうか」とも読む。アザミにも似た1年草または越年草。
多良間島に住む運天幸子さんは紅花の栽培歴約30年。「たらま花保存会」を立ち上げ、栽培拡大や普及活動に力を入れている。「これからも絶やさないように守っていきたい」と意気込む。
日本では、ベニバナの一大産地は山形県。飛鳥時代(6世紀後半~8世紀初頭)に原産地のエジプトなどからシルクロードを経て渡来したとされる。
宮古では、古い時代から多良間島がベニバナの産地として知られる。
「朝鮮王朝実録 琉球史料集成(訳注篇)」によると、1497年、多良間島の船が朝鮮に漂着した。乗組員は10人であったが、不幸にして6人が死亡。朝鮮の質問に対し、漂流民は「わが島は紅花多く産し」と答えている。同島では、少なくとも15世紀末には紅花が栽培されていたことがうかがえる。