「6月マミ」を脱穀/夏の風物詩
伊良部南区で小豆収穫
宮古の夏の風物詩の一つ、「6月マミ(小豆)」の収穫が終盤に入り、伊良部南区の民家の庭先では、黒小豆(あずき)の天日干しと脱穀が懐かしい風情を醸し出している。
南区は佐和田、長浜、国仲、仲地、伊良部の5集落の総称。昔から小豆栽培が盛んで、地域料理の小豆ご飯や小豆ぜんざいなどが食卓に上る。
家庭によっては黒小豆を保存し、旧暦の8月の満月の日を含む前後に使用する。蒸し立ての餅にゆで小豆をまぶした行事料理をつくる。この餅は方言でフチャギあるいはフキャギなどと称され、漢字では吹上餅と書く。本土の団子餅に相当するという。
収穫された多量の小豆は、庭先に敷いたむしろなどに広げられ、天日で乾燥される。茶色のさやはカラカラに乾くと、パチパチと音を立てる。さやがはじける音だ。
長浜地区で農業を営む西原キクさん(87)は25日、長さ約40㌢ほどの叩き棒を使って庭で乾燥中の小豆を脱穀した。
西原さんは「小豆は春に種をまいたものを収穫している。来年は米寿を迎えるので、小豆をたくさん栽培して、おいしい料理を作りたい」と意気込む。