協力会が住民説明会/陸上自衛隊配備
真謝漁港利用者対象に
宮古地区への陸上自衛隊配備について、宮古地区自衛隊協力会(野津武彦会長)の真謝漁港利用者を対象にした住民説明会が28日、西原公民館で行われた。
説明会では、自衛隊沖縄地方協力本部長の山根寿一陸将補、沖縄防衛局企画部の宮川均次長が、宮古島を含む南西諸島の周辺情勢が厳しさを増していると訴え、陸上自衛隊の配備による経済効果などについても説明した。
山根陸将補は、中国の国防費がこの10年で4倍に伸びていることや、同国の海洋進出を含め領土的な野心が強いことを訴えた。
その上で「他国を侵略するにはその能力と意思が必要だが、周辺国はどんどんその能力を付けている。他国というのを性善説ではなく、性悪説でとらえないといけない。力を持った国は何をするか分からない。20年、30年前に私は中国が今のような状況になるとは思っていなかった。日本を取り巻く環境は厳しい。対処できる体制をつくる必要がある」とし、宮古島への陸上自衛隊配備の必要性を訴えた。
宮川次長は自衛隊施設設置による経済効果について、隊員の公租公課▽隊員および家族の消費▽部隊活動(資材等の購入)▽建設工事(関連する施設整備、補助事業に伴う工事等)-などを紹介した。
そのほか、防衛省の補助事業についても説明。「防衛施設周辺対策事業」は自衛隊の運用影響の緩和のため、各種助成事業を行うものであり、公園、道路、体育館、ごみ処理施設、コミュニティー共用施設などの事業を一般の施策に比べ高い補助率での実施が可能であること紹介した。
参加した住民からは、「配備が決定すれば宮古島出身の隊員を優先的に宮古に配置してほしい」や「西辺地区の人口を増やすために宿舎を建設してほしい」などの意見が出された。
同協力会では、今後も地域を対象にした説明会を積極的に開催していくとしている。