「遊歩道、現状に戻して」/友利インギャー
市の事業、地元から疑問の声
完成間近だった城辺友利のインギャーマリンガーデンの遊歩道が、台風13号の被害を受けたことで、地元住民から「建設を白紙にして現状に戻してほしい」との声が上がっていることが分かった。11日の市議会9月定例会一般質問で濱元雅浩氏が指摘したもので、「友利部落会からは要請したこともなく、事前説明会もなかった。工事が始まってすぐに地元から『景観に合わない』『波や風の影響を受けて危険』との声が上がっていた」と述べ、市の公共事業の進め方に疑問を呈した。
遊歩道は8月7日の台風13号の高波で、アルミ製の手すりと床板が壊れた。市は「災害復旧事業に該当するかどうか、国や県と調整中」としており、現時点では修復のめどは立っていない。
質問した濱元氏は「どういう理由でどういう計画で、誰の要請で行われたのか」と工事に至るまでの経緯を求めた。
濱元氏が特に指摘したのは、インギャー駐車場から入江に掛かる橋までの区間の高床式(高さ1・2㍍)の遊歩道。両側には転落防止用の手すりが付いていたが、地元住民からは「波に対する考えが甘いのではないか」などの声が上がっていたという。
答弁した砂川一弘農林水産部長は、旧城辺町時代に整備されたインギャーの施設は、全体的に老朽化が進んでいたとし「全体的な修繕改善という認識があり、観光客や地元の人、子どもたちにも安全に海岸の散策ができるものとして説明会は開かなかった」と釈明。「現在、構造の見直しを行っており、波による衝撃に耐えられるよう、復旧に向けて作業を進めている。図面が決まれば地元に説明して復旧に取り掛かる」と述べた。
遊歩道改修工事は、インギャーマリンガーデンの一帯工事(1、2、3工区、総事業費1億6700万円)の2工区で、一括交付金を活用し今年2月に8400万円で発注、8月末には完成予定だった。