クイチャーで豊作豊漁祈願/池間・佐良浜
ミャークヅツが開幕/きょう西原でパレード
平良池間、伊良部佐良浜、平良西原の伝統祭祀(さいし)「ミャークヅツ」が15日から始まった。初日は池間と佐良浜の池間添、前里添で地域住民が力強いクイチャーを奉納し向こう1年の豊作豊漁、子孫繁栄を祈願した。きょう16日は西原の集落内でパレードやクイチャー奉納が行われる。
ミャークヅツは旧暦8月、9月の甲午(キノエウマ)の日から行われるもので、池間民族の元島・池間島と同島から分
村した伊良部佐良浜、平良西原の住民がクイチャーを中心とする地域特有の祭りを開き、旧年中の五穀豊穣(ほうじょう)と大漁に感謝し、向こう1年間の豊作、豊漁、子孫繁栄を願う。
池間島では、数え年で55歳以上の男性が真謝、上げ桝、前ぬ屋、前里の四つのムトゥ(元)家に朝から集まり今年のミャークヅツの開会を宣言。今年から新たに入会した会員が先輩たちを前に自己紹介を行った。今年は四つのムトゥ
に計24人が仲間入りした。
夕方には水浜広場に移動しクイチャーを奉納した。女性たちの輪の外側に青い法被を着た男性たちが大きな輪を作り、曲に合わせて豪快なクイチャーを踊った。
前里ムトゥに今年、新入会した与那覇明さんは「1年生は一生に一度しかないことなので緊張するが、誇りに思う」と語った。
伊良部佐良浜のミャークヅツは、旧池間村(現池間添)と旧前里村(現前里添)の各拝所前広場で行われ、クイチャーを奉納し向こう1年の豊作と豊漁を祈願した。
池間添では数え年47歳から、前里添では50歳からミャークヅツに参加する。今年は池間添に20人、前里添に17人が新入生として加わった。参加者たちはそれぞれの広場で男女で一つの輪を作りると掛け声に合わせ男性は力強く、女性は優雅にクイチャーを踊った。
池間添に今年、新入会した池間俊英さんは「今、横浜で暮らしているが、今年は新入会となるので参加するために帰ってきた。久しぶりに同級生の顔を見ることができ、うれしい」、前里添に新入会した洲鎌智也さんは「ミャークヅツへ仲間入りできたことは自分にとって大きなこと。踊るのは楽しいのでミャークヅツを楽しみたい」と語った。
池間島のミャークヅツは17日まで、佐良浜は18日まで行われる。