地域振興でエコ追求/市立学園が開校
市民が水や電気学ぶ/木村俊昭さんの講演も
エコアイランド宮古島を学ぶための学校「市立エコ学園」が3日、宮古島市中央公民館に1日限りで開校した。海や水、環境、電気に関する授業が行われ、関心のある市民が受講して各分野の知識を深めた。「スーパー公務員」こと木村俊昭さんが講演し、地域の活性化について提言。宮古島の産業や歴史、文化を掘り起こし、市民・地域が一体となって事業に取り組むことの重要性を説いた。
このイベントは宮古島市が主催し、宮古島工作倶楽部が協賛した。宮古テレビが事務局を務め、エコアイランドを考えることを狙いに実施内容を企画した。
朝礼の後、六つのブースで授業が始まった。参加した市民は各ブースを回って海や水、電気、環境に関する知識を吸収。ブース担当の先生が話す分かりやすい説明に聞き入るなどしてエコの島を学んだ。
授業を終えると、「地域活性化の伝道師」と称される木村さんが講演した。
木村さんは「その地域の産業、歴史、文化を徹底的に掘り起こすこと。そのストーリーを大切にしてものを作れば、それがブランドになる。ほかでは歴史を真似することはできない。だからブランドになる」と話して地域にこだわった振興策の立案を呼び掛けた。
これを具現化していくためには、地域全体で①情報を共有②役割の分担③事業確認-をしながら進めていくよう促した。
講演後は、パネルディスカッションが行われ、木村さんのほか、余合ホーム&モビリティ社の余合繁一さんや南城市の大里中教諭の飯塚悟さん、宮古ガスの富山忠彦さんが提言した。
木村さんは「エコアイランド宣言に至った経緯を自治会単位でも伝えていくことが大切。住民がどう関われば良いのか。これが分からないと無関心を招く」と広聴の実践を求めた。
電気自動車などエコの乗り物の活用については余合さんが「都会では、お年寄りも操作している電気で動く乗り物が走る場所がなくて困っている。そんな(道路環境を)整備すれば世界中に発信できる」と人に優しい街づくりを提案した。
沖縄の異なる年齢の学生スタッフで構成されるソーラーカーチームの監督を務める飯塚さんは「仮に宮古島でレースを開催すれば世界中から人が集まる。この素晴らしいロケーションの中を走れるのだから」と宮古島の可能性に触れた。
富山さんは「何かをやりたいと決めた人が、聞く人の心を震わせるようなことを伝えないと本当の意味で動かない」と語り、エコアイランドについて広く市民が考えてエコ活動を実践することの大切さを訴えた。