地域ぐるみの介護を
高齢者支援でフォーラム/2氏が基調講演
高齢者が安心して暮らせる地域づくりフォーラム(宮古島市主催)が1日、下地農村環境改善センターで行われた。地域支援事業に携わっている厚生労働省や市民団体の専門家が基調講演で、住み慣れた地域で生きがいを持って暮らしていくには地域ぐるみでの介護が必要だと強調。地域に目を向け、自分にできることを考え実行に移すことが大切だと呼び掛けた。
厚労省老健局総務課・介護保険計画課・振興課併任課長補佐の服部真治氏は「新しい地域支援事業を活用した地域づくりについて」との演題で基調講演を行った。
服部氏は高齢化に加えて少子化が進む日本の現状をデータで紹介。団塊世代(第一次ベビーブームが起きた時期に生まれた世代)が75歳以上になる2025年を見据えた介護保険事業計画の策定や、街ぐるみで介護する地域包括ケアシステムの構築が重要になると指摘した。
「高齢者がいつまでも宮古島市で住み続けるんだという地域をつくるには、地域全員で支えることが大切。高齢者が生き生きと暮らすことを推進すれば介護予防につながる」と語った。
「みんなで創ろう助け合い社会」と題し基調講演を行った公益財団法人さわやか福祉財団会長の堀田力氏は、従来型の地縁組織を活性化させた事例や、それをベースに新型組織をつくった全国各自治会の事例を示し、地域に足りない助け合い活動の創出を訴えた。
フォーラムでは市高齢者支援課の豊見山京子課長、市社会福祉協議会の下地信広事務局長が市の現状や取り組みについて発表したほか、さわやか福祉財団九州1ブロックリーダーの阿部かおりさんが事例紹介を行った。
フォーラムの冒頭、あいさつした下地敏彦市長は「宮古に生まれ、宮古に育ち、そして宮古で一生を送ることが何の心配なくできれば素晴らしい。それをつくっていくのは私たちだ」と述べ、フォーラム開催の意義を強調した。