厳かに奉納祭・鎮座祭/多良間神社
向こう1年、村の繁栄祈願
【多良間】土原豊見親を祭る神社で、多良間村の文化財に指定されている多良間神社の奉納祭・鎮座祭(同村主催)が10日、同神社で厳かに執り行われた。村民や役場職員ら関係者が訪れ、向こう一年間の村の繁栄を祈願した。
奉納祭・鎮座祭の由来は、多良間小の校舎建設で、当時の多良間小校長の進藤栄氏が、新たにかやぶき屋根の校舎建築を計画。各御嶽の大樹を伐採しその資材とした。
そのころ、御嶽の樹木は神木といわれ、これを伐採すればたたりがあるといわれていたことから、村人は誰一人手をつけることができなかった。
進藤氏は、勇断をもって自らおのを振るい伐採したため村人は安心し大木を伐採することができたと伝えられている。
けが人が一人も出なかったことから、豊見親の加護によるものとされ、神社を建てて永久にその徳をたたえるための奉納祭・鎮座祭が毎年行われている。
この日の奉納祭・鎮座祭では、進藤氏が当時の心境を作詞した「数え歌」を参加者で合唱した。
これまでは関係者のみが参加し、供え物をしていたが、今年は50年ぶりの余興が披露され、村内の企業や婦人会、青壮年の有志たちが「二才踊り 髙パナリ」を披露した。