「ものづくり部門」で全国1位/宮古雇用創造協
成果物コンテスト 紙すき体験プラン評価
「地域の魅力、再発見!」をテーマに厚生労働省が実施する「2015年度実践型地域雇用創造事業シンポジウム」が先月16日、東京都で開催され、宮古島地域雇用創造協議会(会長・長濱政治副市長)が実施した「紙すき体験プラン」が「ものづくり部門」で全国1位に輝いた。16日には市役所平良庁舎で伝達式が行われ、賞状を受け取った長濱会長は「みんなが頑張ってくれたおかげで成し遂げた全国1位の成績をとても誇りに思う」と述べ、県内初の快挙を笑顔で喜んだ
賞状を伝達した沖縄労働局職業安定部の松嶋歩部長は「12年度からの3年間、同事業を積極的に活用し雇用の創出、人材育成に成果を上げてきた。この受賞はその活動が実を結んだもの。私たちも協議会と連携を図り、同事業の推進に取り組んでいきたい」とあいさつした。
今回評価されたのは同協議会が12年度から3年間実施した取り組みの中で、国の重要無形文化財「宮古上布」の原料である「苧麻」と日本の和紙の原料である「楮(こうぞ)」を合わせ、観光体験プランとして「紙すき体験」を確立。苧麻を原料とすることで優しい風合いの和紙が完成した。
同協議会では、確立したこのプランを希望する16社に向けて公開し、観光関連産業1社において今年4月から1人が雇用されているほか、現在は2社が既存の従業員で同体験プランを実施し、事業拡大による雇用の創出を目指している。
長濱会長は「このプランは、原料の苧麻を確保するために畑を借りて手探りでの苧麻栽培から始まり、それを刈り取って紙すき作業に至るまでの行程に持ってくるまでには担当者が大変だったと思う。しかし、こうして評価され、取り組みは宮古織物事業協同組合などに引き継がれている。今後はその活動を拡充して市の表彰状とかにもこの和紙を活用していきたいと思う」と話した。
今回、ものづくり部門には、全国の7協議会から取り組みが出品され、宮古の取り組みが最も優れているとの評価となった。
実践型地域雇用創造事業とは、雇用機会が不足している地域における自発的な雇用創造の取り組み支援や、構造的な雇用課題を抱える地域の支援などを目的に実施している。