”カツ”でゲン担ぎ/高校入試
手作り弁当で激励/保護者や親戚一堂に
県立高校の入学試験が9日、始まった。宮古地区4高校では、保護者や親戚などが一堂に集まり、手作り弁当で受験生を励ます、宮古ならではの光景が広がった。受験生たちは、愛情たっぷりの弁当と、受験ゲン担ぎの定番「カツ」を使った料理に舌鼓を打ち、気力をみなぎらせていた。
214人が受験した宮古高校では、雨天のため体育館を開放。重箱や弁当箱、敷物を手にした保護者たちが、午前8時30分ごろから集まり始めた。
正午すぎに試験終了を告げるチャイムが鳴ると、正門近くまで行き受験生を出迎え。「ちゃんとできた?」「名前や番号は書いた?」などと声を掛けながら、手作り弁当を広げて緊張を和らげた。
同校を受験した手登根光慶君(狩俣中)は「両親の顔を見るとほっとするが、少し恥ずかしい」と苦笑い。春巻きが大好物と言い「ちゃんと入っている。うれしいです」と笑顔を見せた。
母親の真知子さん(44)は「自分たちの受験の時も親が弁当を作って励ましてくれた」と当時を振り返り、「あの時よりもきょうの方がドキドキしている」と話した。
弁当は午前5時に起きて作ったという。合格を祈願したチキンカツと、スタミナがつくようにとホウレンソウなどの野菜もたっぷり。「合格してほしいとの気持ちを込めました」と思いを語った。
両親や祖母と一緒に弁当を囲んだ根間陽佳さん(狩俣中)は「勝つや合格とかをダジャレにして料理にしたのが面白い。合格してみんなを喜ばせたい」と力強く話した。
祖母の根間恵子さん(67)は、「天気が悪かったので黒の洋服にしようかなと思ったけれど、少しでも明るくした方が良いと思い赤色にした。孫の気持ちの支えになれればうれしい」と語った。
手作りサタパンビン、のど飴、マスクも準備。「風邪など引かないように、2日間万全な体調で臨んでほしい」と話した。