「命の水」死守誓う/「宮古島・命の水を守る5・22シンポ」
専門家が地下水保全訴え/市長見解に疑問と怒り
「新たな自衛隊配備を許さない」をテーマに「緊急!宮古島・命の水を守る5・22シンポジウム」(主催・同実行委)が22日、市内のレストランホールで行われた。沖縄防衛局が進める宮古島への陸上自衛隊駐屯地配備計画とそれに伴う地下水保全を巡る一連の問題について、5人のパネリストが登壇。計画について学術部会の判断が「ノー」だったことが報告されると歓声が起こった。そのほか、この問題について情報開示を拒み、徹底的な調査を実施しない下地敏彦市長に対する疑問と怒りの声が会場から上がった。
シンポジウムのパネリストは、市地下水審議会の前里和洋さん(八重山農林教諭)と、学術部会の新城竜一さん(琉球大学理学部教授)、同審議会と同部会両方に所属する渡久山章さん(琉球大学理学部名誉教授)が専門的な立場から同計画が地下水に及ぼす影響や懸念事項について詳しく説明した。
さらに、元旧宮古上水道企業団企業長の上地慶彦さんやエコガイドカフェ代表の猪澤也寸志さんもそれぞれの立場から、地下水保全の重要性や下地市長の行政手法の問題点について指摘した。
新城さんは、すでに部会としての防衛局の計画について「認められない」とする最終的な結論を出していることを報告した上で「なぜあえてこの場所なのか意味が分からない。位置的に不適切。そこが攻撃受けると7~8割を占める住民の水道水源が影響を受けることになる。この場所で造るのはやめるべき」との考えを示した。
前里さんは防衛局から示された修正図面について、下地市長が地下水審で事前協議の必要性を認めていないことについて「修正した内容についてもしっかり調査すべき」との見解を示した。
そのほか、渡久山さんは「水源域やその近くには危険で大きな施設を造らずに、ただ見守っていることしかできない。現市政や事業者によって、そこに手を入れるかどうかの判断はできない」と訴えた。
そのほか、上地さんと猪澤さんも問題意識を多くの市民が持って、自分たちの未来の問題としてとらえて行動することの大切さを強調した。