五穀豊穣を願う/伊良部南区でユークイ
「歓喜の踊り」など奉納
伊良部南区の国仲・仲地・佐和田・長浜の四つの集落で10月29日、伝統の豊年祭「ユークイ(世乞い)」が盛大に行われた。4地区の住民らはそれぞれの御嶽に集い、豊作を願いながら歓喜の踊りを奉納した。
各御嶽では、旧年中の五穀豊穣(ほうじょう)に感謝し、来期の「ユ」(富貴、富の世)を予祝(よしゅく)した。予祝は前祝いの意味で、農耕儀式の一種。
四つの集落のうち、国仲御嶽ではツカサンマらが神前にご馳走を供えて線香をたき、五穀豊穣や無病息災などを祈願した。また、早朝から多くの住民も御嶽に集まり、歓喜の演舞を披露するなど、喜びを分かち合った。
国仲自治会の宮国浩行会長は「毎年、こうして多くの方が参加して盛大に開催できることが、とてもうれしい。地域の大切な祭りとしてこれからもしっかり継承していきたい」と話した。
あいさつで、下地敏彦市長も「多くの住民が参加して地域の行事を盛り上げていることをとてもうれしく思う。昨年に続き今年も雨だが、これも恵みの雨だと思う。私たちも伊良部地域の発展のためにこれからもしっかり取り組みたい」と述べた。
御嶽では、男性たちが祝いの酒を酌み交わし、最後はみんなでにぎやかに踊りながら、祭りを盛り上げた。