宮糖 3工場一斉に年内操業/16-17年期キビ
城辺27年ぶり12月17日/生育良く、糖度上昇見込む
宮古製糖(安村勇社長)は12日、2016-17年期のサトウキビの操業を3工場ともに年内に開始すると発表した。城辺12月17日、伊良部12月1日、多良間12月20日にそれぞれスタートする。今期のキビは気象条件に恵まれ、台風の影響も少なく、同社によると生育が良く糖度の上昇が期待され「近年にない豊作型」。特に城辺は万㌧超の原料搬入が見込まれていることから1989年以来年ぶりの年内操業に踏み切った。3工場一斉は初。
年内操業は11日に行われた同社常務会と管理職会議で決定し、12日に安村社長が同社で会見し発表した。
安村社長は「これまでにも台風や干ばつが繰り返され、12月には基準糖度帯に達しないキビが全体の8割にも満たないことや、生産量も10万㌧以内だったことなどから、年内操業に踏み切れなかった。農家からも『正月を済ませてから』という声が多かった」と説明した。
3工場一斉に年内操業する理由として①城辺で12万㌧超の原料が見込まれる②糖度など品質面が期待できる③株出し管理が効率的に行える-など条件がそろったことを強調。「先伸ばしして4月まで操業するより、早めに始めた方が良いと判断した」と述べた。
3工場合わせた生産見込み量(11月1日現在)は約21万3000㌧で、前期に比べ約1万3000㌧の増加。
工場別内訳は▽城辺12万6500㌧(前期12万3744㌧)▽伊良部6万3820㌧(同5万5674㌧)▽多良間2万2750㌧(同2万683㌧)-で、いずれも前期を上回っている。
糖度(同)は▽城辺12・10度▽伊良部12・88度▽多良間11・81度-となっている。
3工場管内とも基準糖度帯(13・1~14・3度)に達していないが、安村社長は「週ごとに上がっており、向こう1カ月間で1度は上がる。12月、1月にはもっと上昇する」との見通しを話した。
沖縄製糖宮古工場はボイラー設備工事のため、来年1月中旬開始の方向で準備を進めている。