野原でサティパロウ/国指定重要無形文化財
女性がパーントゥ代役
国指定の重要無形文化財「サティパロウ(里払い)」が26日、上野の野原集落で行われた。快晴の下、パーントゥを先頭に女性たちが「ホーイホーイ」と唱えながら続き厄除・招福した。パーントゥ役の男の子が不参加になったことから、初めて大人の女性がパーントゥの代役を務めた。古くから伝わる伝統行事に新たな課題が浮き彫りになった。
毎年旧暦12月の最後の丑(うし)の日に執り行われる悪霊払いの伝統行事。この日がその日に当たっていた。祭りの起源は定かでない。
午後5時すぎ、女性たちは集落内に指定された場所に集合。クロツグ(方言名マーニ)とセンニンソウ(同タドゥナイ)で組んだ草冠をかぶり、草帯を腰に巻き、両手に悪霊払いのヤブニッケイ(同ツッザギー)の枝葉を持って準備を整えた。
全員でパーントゥ役とホラガイ吹く役の男の子を待っていたが、2人とも姿を見せなかった。急きょ大人の女性が仮面をかぶり、パーントゥ役を担った。
パーントゥを先頭に緑の植物で身を飾った女性たちは集落の外側へ移動。東方面にある大嶽(うぷだき)に向かって向こう一年間の豊作、無病息災を祈願した。全員が集落へ向きを変え、移動した。
女性たちは道中、両手に持つ枝葉を振り、「ホーイホーイ」と声を上げながら払い清めた。
集落内の特別な四辻では、パーントゥを囲むように輪をつくり、外側の女性たちは内側に向かって「ウルウルウルウル」と唱えた。
再びパーントゥらが先頭を歩き、後続の女性たちは枝葉を振りながら「ホーイホーイ」と声を響かせた。