親族で先祖供養/旧十六日祭
家族の健康など願う
旧暦の1月16日に当たった12日、先祖を供養する伝統行事「旧十六日祭(ジュウルクニツ)」が市内各地の墓地で行われた。墓前に集まった家族や親戚らは先祖に手を合わせ、家族の近況を報告するとともに向こう1年間の健康などを祈願した。
「旧十六日祭」は亡くなった先祖が暮らす後生(グソー)の正月とされる旧暦1月16日に、宮古や八重山地方を中心に行われている。一族の墓に親族が集まり、後生の金とされる紙銭(カビジン)を燃やし、線香をたき、重箱料理などを供えて先祖を供養する。宮古島ではこの日のために島外から帰省する人も多い。
今年は日曜日に当たったこともあり、市平良の袖山墓地公園では例年より早い正午前から訪れる家族らも見られた。あらかじめ清掃し清められた先祖の墓に集まった親族たちは全員で手を合わせ、一年間の出来事などを報告したり、向こう一年間の健康や吉報を願って拝んだ。
兄弟家族らと訪れた濱川京子さん(62)=平良=は「この日に備え墓の掃除をし、前日から料理の準備をしてきた。夫が亡くなって3年になるが、夫の母は健在なので、まだ結婚していない子供に結婚してもらい、母に早くひ孫を抱かせてあげてほしいとお願いした」という。子や孫ら5家族で墓前に集まった石川栄幸さん(76)=平良=は「旧十六日と旧盆には毎年みんなで集まるようにしている。先祖には子や孫など親族一堂が健康でいられるよう見守っていてほしいとお願いした」と語った。