2頭の獅子が厄払い/城辺比嘉
旧二十日正月祭
城辺比嘉自治会(砂川雅一郎会長)の「旧二十日正月祭」が旧暦1月20日に当たる16日、比嘉集落で行われた。2頭の獅子が新、改築された家や、農機具を購入した人の家を回って厄を払った。地域住民は公民館に集まってクイチャーを踊り、向こう1年の豊作と無病息災を祈願した。
祭りは午後2時30分すぎに始まった。砂川会長が「皆さんと共に、地域のこれまでの伝統を大切にし、自治会の発展を祈念し盛大に二十日正月を盛り上げてほしい」とあいさつした。
続いて2頭の獅子を先頭に、クロツグ(方言名・マーニ)の草の冠を頭に載せた住民が公民館の周囲を3周して厄払いをした後、集落内を一回りして比嘉全体の厄を払った。
引き続き、昨年10月に耕耘機(ブルトラ)を購入した砂川潮夫(あさお)さん宅などを訪問し、獅子舞で厄を払った。今年は新築が1軒、改築が2軒、農機具購入が2軒と既設倉庫のお祓いをした。
砂川さんは「耕耘機も財産の一つ。初めて購入した。厄払いをしてもらい、うれしく思っている」と話した。
比嘉自治会によると、旧二十日正月祭は1913年に始まったとされ100年余りの歴史がある。明治時代、字有地財産を巡って訴訟に発展した士族と平民の争いの解決(和解)が、旧暦1月20日だったことから同日を記念日に設定。獅子舞などが行われるようになったという。二十日正月は那覇辻町と城辺比嘉に残っているという。