地域の発展を祈願/五穀豊穣と無病息災祈る
西原のフッビューイ
平良西原のナナムイ行事の一つ「フッビューイ」が1日、ウハルズ御嶽やナイカニ御嶽で行われた。ツカサやナナムイ(満48歳から55歳)の男が、御嶽に神酒を捧げながら五穀豊穣と無病息災を祈願した。ナイカニ御嶽周辺では酒を酌み交わし、伝統行事の継承を誓い合いながら西原地域のさらなる発展を願った。
フッビューイは粟の収穫祭の意。収穫した粟で神酒をつくり(現在は米)、豊作祈願と住民の健康を祈る行事だ。代々のナナムイが受け継いできた。
ナナムイの1年生は夜明け前に集合し、ツカサや字長らをウハルズ御嶽で迎えた。同御嶽での祈りを終えたナナムイはナイカニ御嶽に移動し、円座を組んでツカサらを待った。
この間、渡久山英隆字長は「この1年間の豊作に感謝するとともに、来年の豊作を願った。五穀豊穣、みんなが健康で過ごせる年にしたい。子や孫の活躍も共に願おう」と呼び掛けた。
西原出身の市議の山里雅彦さんは「今年のサトウキビは大豊作だった。この調子でいけば来年の豊作も間違いない。互いの健康、子や孫の活躍、島の発展を願いたい」と述べた。
ナナムイを代表した高嶺貞久さんは「フッビューイに参加できることに感謝するとともに、この素晴らしい伝統行事を継承していこうと決意している」と声を大にした。その上で「西原の発展のために、字長と気持ちを一つにして頑張っていきたい」と誓った。
午前9時30分ごろツカサが到着した。ナナムイが立ち上がって拍手を送り、御嶽の奥へ誘った。ナナムイは御嶽の周辺に、そのほかの男性は道路の脇にそれぞれ座り、ツカサとともに五穀豊穣、無病息災、西原集落の発展を祈願した。