先祖迎え家内安全祈る/旧盆入り
各家庭で「ンカイ」/仏壇にごちそうや果物供え
旧盆初日の3日夜、市内の各家庭では亡くなった人たちの世界とされる後世(グソー)から先祖の霊を迎える「ンカイ(迎え)」が行われた。家族や親戚らが集まり、ごちそうや果物などを供えた仏壇に手を合わせて、家内安全と子孫繁栄を祈った。
旧盆は旧暦7月13日から15日までの3日間行われる。2日目の4日は「ナカビ(中日)」、5日は最終日の「ウフイユー(送り日)」。
城辺比嘉の與那原一夫さん(69)の家では、夕方になると子供や孫たちが集まった。
妻の悦子さん(69)が作ったちらしずしや赤飯を重箱に詰め、連日暑い日が続いていることから冷やしそうめんも仏壇に供えた。
パイナップルやスイカ、バナナのほか、ドラゴンフルーツやシークヮーサーなどの色とりどりの果物が仏壇を彩った。
外が暗くなった午後7時すぎ、線香を立てた仏壇に全員で頭を下げ手を合わせて先祖を迎えた。
與那原さんは「何十年も家族の健康を祈っている。それに勝るものはない」と話した。
「子供は4人、孫は高校生を筆頭に8人いる」と笑顔。「この家には普段、父と私たち夫婦の3人しかいないが、旧盆や正月、墓参り、または地域の行事の時には必ず子や孫が来てくれる。にぎやかで寂しくはない」と日焼け顔をほころばせた。