クイチャーで豊作豊漁祈願/池間、佐良浜、西原で
伝統のミャークヅツ開幕/きょう西原でパレード
ミャークヅツは池間民族の元島・池間島と同島から分村した佐良浜、西原で旧暦8月か9月の最初の甲午(きのえうま)の日から行われるもので、旧年中の五穀豊穣(ほうじょう)と大漁に感謝し、向こう1年間の豊作、豊漁を祈願する。
◆池間
池間島では初日、真謝、上げ桝、前ぬ屋、前里の四つのムトゥ(元)家に数え年で55歳以上の男性が集まりミャークヅツの開会を宣言するとともに、今年から新たに入会した1963年生まれの会員が自己紹介を行った。今年は四つのムトゥに合計で22人が仲間入りした。
クイチャーの奉納は午後4時ごろから水浜広場で行われた。ツカサンマらが輪を作って神歌を唱和し、扇で広場を清めた後、そろいの法被を着た男性陣が入場。大きな輪を作り、曲に合わせて力強いクイチャーを踊った。
今年、前里ムトゥに新入会した、現在は大分県在住の松川真さんは「ミャークヅツへの仲間入りは昔から指折り数えていたが、まだ実感は湧いていない。先輩の足を引っ張ることのないよう勉強するとともに、3日間を精いっぱい楽しみたい」と語った。
◆佐良浜
伊良部佐良浜地区のミャークヅツは池間添、前里添で行われた。午後4時30分ごろから「ミーウヤ」と呼ばれる男性らが佐良浜のクイチャーを踊り、五穀豊穣と島の発展を祈願した。
池間添は数え47歳がミーウヤと呼ばれる。頭に白いタオルを巻き、えんじ色のポロシャツ姿で踊った。
それぞれ地面を力強く蹴り上げ、両手を頭上にかざしながら豪快に乱舞。「ヒヤサッサ!」の掛け声を集落内に響かせて伝統のミャークヅツを盛り上げた。
一方、前里添のミーウヤは数え50歳。頭にタオルを巻くスタイルは池間添と同じだが、法被を着るのが前里添のスタイルだ。
黄色の法被をまとったミーウヤは大きな掛け声とともに跳び上がり、手をたたいて「ヒヤサッサ」。誇りを胸に堂々と踊った。
池間添のミーウヤ・大浦正紀さんは東京都からの参加。ミャークヅツのために帰郷した。誰よりも高く跳び上がった大浦さんは「まだまだ跳んで、ますます飛躍したい」と笑顔。「伝統の祭りを後輩にしっかり引き継ぎたい」と話した。
前里添のミーウヤ・漢那憲幸さんは神奈川県から参加した。久々のクイチャーだったが、「小さな頃から踊ってきたのでしっかり覚えている。伝統をつなぎたい」と決意を話した。