防衛局説明に納得せず/陸自駐屯地建設
野原・千代田 日常生活に不安募らす
沖縄防衛局は、陸上自衛隊宮古島駐屯地(仮称)の本格的な造成工事が始まるのを前に19日、駐屯地建設予定地の千代田、野原部落の住民を対象に、説明会を開催した。造成工事の概要、内容、作業工程などを説明し、周辺住民に工事への理解を求めた。これに対し、参加した住民は工事期間中の、日常生活に対する不安を述べたが、防衛局側からは、住民が納得する説明は得られなかった。また、説明会の翌日20日に、着工式が行われたが、あまりにも時間がなさすぎるとの不満が出た。
野原部落会(平良信男区長)の説明会は同日夕、行われた。説明会に参加した男性は「われわれは一度も自衛隊反対と言ったことはない。われわれが求めているのは、きちんとした説明をしてほしいと要望している。なぜそれができないかが不思議で仕方が無い」と防衛局の説明会への姿勢に不満を示し、「説明会をすれば、地区の人たちは参加する。お互い話し合いをしながら、われわれの疑問に対してきちんと説明してほしい」と改めて、要請した。
野原部落は常会で千代田への陸自配備に対して継続して反対することを決議している。
平良区長は、説明会後の取材に対し「反対の理由は駐屯地が近いから。航空自衛隊宮古島分屯地との間にこの部落は挟まれることになる。これからの工事の進ちょく状況をみながら住民とも話し合い役員会を開き、防衛局に説明会を開くよう今後とも要請していく」と話した。
野原部落会に先立ち、同日午後に行われた千代田部落会(下地吉夫区長)への説明会は同部落公民館で、住民の意向で非公開で行われた。同部落役員の冝保定和さんは「部落の半数以上が高齢者。約1年前の説明会でヤジと大きな声に、高齢者が『怖い』というイメージを持っているので非公開とした」と理由を説明した。
説明会後の報道陣の質問に対し、冝保さんは「工事は進んでしまっている。われわれもどう対処して良いか分からないというのが、正直な気持ち」と、困惑した表情で話した。