新しい「鳥居」が完成/漲水御嶽
奉賛会が落成祝う
漲水御嶽の「鳥居」が、11月末までに建て替えられ、漲水御嶽奉賛会(砂川恵昭会長)は2日、落慶式を行った。
これまでの「鳥居」は、約90年前に建てられたといわれ、老朽化によりコンクリートが剥がれ、通行にも危険な状態となっていた。奉賛会では10月末から建て替え工事に着手、1カ月かけてコンクリート造りの新しい「鳥居」を完成させた。工事費は、市から50万円の補助を受け、漲水御嶽のさい銭も含め300万円かかった。
落慶式には、砂川会長や伊志嶺守副会長ら会員、業者が参加して3人のツカサが完成を祝う祈りをささげた。同御嶽は宮古島の中心的な御嶽で、地元の人や観光客らが参拝に訪れることから新しく強固な「鳥居」の完成をみんなで祝った。
「漲水御嶽と石垣」は、1974年8月に当時の平良市から指定史跡を受けている。説明文によると「宮古の創世神古意角、姑意玉二神が天下りした聖地として、古くから人びとの尊崇あつき御嶽で、ツカサヤーとも呼ばれている。人蛇婚説話にいろどられ、古代宮古人の源流をさぐる上からも注目されている。中世、目黒盛豊見親が祭政一致のまつりごとをとり、神域を定めたことから人びとの信仰心はいっそう高められたと伝えられている」。
また「南側の石垣は、目黒盛の玄孫仲宗根豊見親が1500年、中山王府軍の先導として、八重山のオヤケ赤蜂征討に参加したさい、神霊の加護を祈願、戦勝記念に築いたと、忠導氏家譜にしるされている」とある。
なお、本殿並びに拝殿は2008年9月に改築されている。