さようなら北分館/平良図書館
知の宝庫、惜しまれ閉館
市立平良図書館北分館が28日午後、閉館した。郷土資料の宝庫として長く市民に愛されてきた図書館の閉館。最終日も多くの市民が足を運び、図書館との別れを惜しんだ。
各種報道で閉館することが伝えられた28日、図書館には心配の電話が寄せられたという。「蔵書はどうなるんですか?」「今後はどこで読めるの?」「建物はどうなるの?」等々。閉館するという事実に戸惑う市民の声にあふれた。
最後に本を借りようと訪れた市民もいた。図書館の職員は手作りのお守りや菓子をプレゼントしながら閉館の事実を伝えた。市民の中には「今までお世話になりました。ありがとう」と礼を言う人も。図書館を通して築いた人と人のつながりの大きさを物語った。
ずっと北分館で働きたいと思い続け、3年半前に配属された根間郁乃さんは「地域の皆さんがこの図書館を残そうと活動してきたからこそ守られてきた」と感慨深げに振り返り、「過去と未来をつなぐ図書館で働けた幸運をかみしめつつ、これからも与えられた役割を果たしたい」と話した。
北分館が今の土地に新築されたのが1961年。72年の沖縄本土復帰を受けて県立図書館宮古分館に。2010年に施設と蔵書が宮古島市に引き継がれ、市立平良図書館の北分館として地域に愛されてきた。
蔵書は2019年7月開館予定の未来創造センターに移される。一部郷土資料は18年4月から市立城辺図書館で閲覧ができる。