保良住民に懸念広がる/防衛局弾薬庫配置説明会
周辺整備要望の声も
保良集落の住民を対象にした、保良鉱山への弾薬庫等施設概要と施設配置案の説明会(主催・防衛省、沖縄防衛局)が25日、保良公民館で行われた。住民ら約50人が参加し、概要等についての説明を聞いた。今説明会では、出席した住民の「弾薬庫配備」に関する不安を払しょくし、配備に反対する住民の理解を得るまでには至らなかった。質疑では「弾薬庫の安全性は本当に大丈夫なのか」「観光へのイメージダウンにつながる」などの意見で同鉱山への配備反対、代替地を検討してほしいなどの意見が多くの住民から出た。一方、配備されることを前提に「保良に官舎(隊舎)を建築し、家族で来て住んでほしい」「今、湧出している湯を使い、旧保良公民館跡地に地元の人が利用できる施設を造ってほしい」などの周辺整備に関する要望も出た。
施設の必要性、概要の説明は沖縄防衛局企画部の伊藤晋哉部長が行った。必要性については、北朝鮮による核、ミサイル開発と運用能力向上、中国の不透明な形での軍事力強化で東シナ海、南シナ海をはじめとする海空域等における活動を急速に拡大、活発化していることを指摘し、「日本周辺の安全保障環境が一層厳しさを増している」と説明した。
また、施設の安全性については「確認できる範囲ではこれまでも自衛隊の弾薬庫で爆発事故は起きていない。万々が一のことがあっても、外には影響がない造りになっている。安全性には自信もあり、万全の措置をとる」と述べ、住民の理解を求めた。
住民からは「人家に近いところを選んだのか分からない。このような施設ができると保良の住民は負の遺産を背負うことになる。代替地を他に探してほしい」「有事の際は標的になる」など不安や反対の声が上がった。
イメージ悪化の指摘に対し防衛局は「全国に施設があるが、必ずしもイメージが悪化しているとは思えない」と述べ、有事の際に標的になるとの声に関しては「自衛隊を配備することは、国防の拠点として全国に配備することで、自らの国を自らで守るという姿勢を見せ、武力紛争を起こさせないための訓練をしている。無用に隙を突いて攻撃をさせないための抑止力となる」と説明した。