賦課金従量制案を否決/土地改良区総代会
15年に続き2度目 総代の理解得られず
宮古土地改良区(下地敏彦理事長)の第29回通常総代会が21日、JAおきなわ宮古地区本部ホールで開かれ、執行部が提案した賦課金(地下ダム農業用水の使用料)の基本料に、使用した水量を加算する従量制を賛成少数で否決した。大多数の総代が反対した。従量制の否決は2015年に続いて2度目。
執行部が提案した賦課金従量制案は、10㌃当たり2000円の基本料に、使用した水の量1㌧当たり15円を加算するもの。施設園芸以外、60㌧までは㌃当たりの基本料に組み込む。
従量制への移行に伴う執行部の試算では、サトウキビに10㌃当たり年間200㌧を使った場合の賦課金は節水効果を加味して4100円。県内他地区の平均額の約6500円を下回るとして理解を求めた。
だが、質疑に入ると反対の意見が相次いだ。15年に従量制を否決した後、賦課金の基本料を年額1500円から2000円に引き上げたことに触れ「つい最近上げたばかりではないか」と指摘する声や、「繰越金を出しておきながら、農家には負担を強いるのか」と憤慨する総代もいた。
執行部は、水の使用量が計画水量を上回る状態が続いていることや揚水にかかる電気料の上昇、農業用水を通す管路の修繕費が膨らんでいることを示して必要性を強調した。水の適正使用を守らない農家がいることも挙げ、「従量制に移行すれば水を丁寧に使用してくれる。ダムの水には限りがある」と訴えたが、総代の理解は得られなかった。
否決を受けて、下地理事長は「農家にとって水料金は重たいもの。私たちの説明が十分ではなかった部分があるかもしれない」と話した。ただ、「今後伊良部にも水がいく。宮古本島でも使用量が増えることを考えれば、この先地下ダムの水は干上がってしまう。水を賢く、大切に使う意識を高めたい。10年、10年先の将来を見据えた取り組みが必要になる」と従量制の必要性を強調し、引き続き導入を目指す考えを示した。