マンゴー出蕾3割減/台風、日照不足など要因か
県「着果個数の調整を」
2018年産
宮古島市の2018年産マンゴーの蕾(つぼみ)の割合を表す「出蕾(しゅつらい)率」が、3月20日時点で全体の38%にとどまることが県のまとめで分かった。前年の同じ時期と比べて3割少なく、生産量に与える影響が懸念される。県は要因として、樹体力、台風被害、日照不足などが考えられるとした。生産者には着果個数の調整などを呼び掛けている。
県や市、JAで構成する宮古地区園芸技術員会が今月19、20の両日に開花調査を行った。74㌶の生産面積の半分以上のハウスで調査し、出蕾を数値化した。
この結果、初実りや昨期休ませた木では比較的順調な出蕾が見られたが、昨期着果が多かった木や台風被害を受けたハウスなどでは出蕾が遅れている。
要因は樹体の回復が遅れていることや日照不足、台風被害などが挙げられている。樹体の回復の遅れは昨期の収穫盛期が後ろにずれ込んだため。開花期までに回復しきれなかった可能性があるという。県は引き続き要因の分析を進める。
今後は着果に与える影響が懸念される。着果しても暑さが原因で肥大化を阻害したり、品質の低下を招いたりする。出荷が遅れ、中元の時期を外せば市場で値崩れを起こしかねない。
ただ、前年の同じ時期の出蕾率は54%だったが、結果として過去最高に迫る730㌧の生産実績を挙げており、今後の着果での盛り返しが期待される。
県は、今後の対策として▽1枝につける着果個数の調整による生産量の確保▽病害虫防除の徹底、玉吊り作業による果実外観の向上▽施設内温度や水管理の徹底-を挙げている。
次期作に向けては▽着花がない木はできるだけせん定を行わず、次期の着果枝の育成に努める▽枝葉が混み合い、せん定を必要とする場合でも極端なせん定を避け、4月中に弱せん定を行う-ことを勧めている。
今期のマンゴーは年末年始の冷え込みに恵まれ、花芽分化を促進する上では最高の気象条件だった。
しかし、1月後半に入ると花の動きが鈍化した。2月も持ち直しはなく、現状の開花は全体の3~4割にとどまっている。