コウノトリ1羽が飛来/池間島に「幸せを運ぶ鳥」
足環装着、国の特別天然記念物
国の特別天然記念物・コウノトリ(コウノトリ科)の1羽が28日午前、平良の池間島で確認された。美しい足環(あしわ)が装着された1羽は、鉄塔の天辺に少なくとも4時間翼を休めた後、青空を力強く舞っていた。県内では迷鳥中の迷鳥で、愛鳥家の憧れの鳥。
日本産の野生コウノトリは1971年に絶滅。2005年から人工飼育個体が放鳥され、12年には野生に復帰した親からひなが産まれた。17年には島根県雲南市で地元ハンターの誤射で母鳥のコウノトリが死亡。残されたひな4羽はその後、人工飼育で無事に成長し、足環を着けて放鳥された。18年2月現在、日本の野外で生息するコウノトリは119羽とされる。
コウノトリは大型の水辺の鳥。体の大部分は白色で、翼の一部は黒色。くちばしは真っすぐに伸びて黒く、足は赤色。
成鳥は全長100㌢、体重4~5㌔、翼を広げると畳の長さ182㌢を超える200㌢前後とされる。
日本には「幸せを運ぶ鳥」「赤ちゃんを連れてくる鳥」という言い伝えがあり、縁起の良い鳥として有名。
池間島の漁師、西里勇さん(84)は28日午前6時すぎ、自宅近くの鉄塔の一番高い所で止まっている鳥を見つけた。鳥名は分からなかった。
西里さんは「変わったきれいな大きな鳥と思った」と振り返る。
同午前7時前後、池間小5年の奥平和真君(11)は祖母と一緒に鉄塔近くに訪れた。奥平君は手に持っていた野鳥図鑑をめくり「コウノトリにそっくりで、かっこいい鳥と思った。池間島に来て良かった」と話した。
その上で「これからも池間島に来る野鳥の観察を続ける。池間小中学校の裏では、珍しい鳥のクロウタドリを見た」と興奮気味に語っていた。