子は宝、夢を応援/いけま福祉支援セ
與那原さんに奨学金
「夢をかなえて」-。NPOいけま福祉支援センターは30日、この春から沖縄本島の専門学校に通う池間島出身の與那原愛理さんに奨学金30万円を贈った。原資は池間島カレンダーの売り上げで、島を思うすべての人の気持ちが込められている。與那原さんは「温かい気持ちがうれしい」と声を詰まらせ、「夢を持って頑張っていいんだって思えました。夢をかなえて帰ってきます」と約束した。
奨学金の贈呈は、いけま福祉支援センターによる若者支援活動の一環。池間島の子供たちが、経済的な理由で将来の夢をあきらめてしまうことがないように制度を創設した。名称は方言で感謝の意を表す「すでぃがふぅ」奨学金とした。
毎年1人に贈る計画の奨学金は30万円で給付型。財源は同センターが2014年から発行する池間島のカレンダーの売り上げで、18年版まで1万1700部を販売、約300万円の収入になっているという。
奨学生第1号に選ばれた與那原さんは、1歳のころに母親を亡くし、主に祖父母に育てられたという。家事を手伝いながら懸命に勉強して宮古高校に進み、4月からは動物の訓練士を目指して専門学校に通う。
奨学金の贈呈式でNPOの前泊博美理事長は「池間島の未来を切り開く大人になってほしい。島の人はみんなあなたを見ている。みんなで支えているよ」と語り掛け、「必ず夢を実現させよう。いつの日か、島を元気にする一員になってくれれば」と期待を込めた。
住民の勝連昭子さんもあいさつに立ち、「一生懸命頑張るんだよ。この池間島のために、後輩たちのために頑張れ」と応援した。
たくさんの激励に與那原さんは「こんなに応援してくれているんだということを実感している。本当にうれしい」と涙ぐみ、「夢を持って頑張っていいんだと思えました。これからも頑張ります」と決意した。
孫の成長と地域の支えの大きさに、祖母の與那原サヨさん(83)は「こんなに素晴らしい奨学金をいただけて夢のようです」と感謝と喜びをかみしめていた。