宮古病院に常勤眼科医/不在解消、診療再開
本永院長 「質の高い医療提供」
県立宮古病院(本永英治院長)に4月1日付で常勤の眼科医が赴任し、9日から診療を再開した。同院は2015年度から3年間、眼科医が不在だった。本永院長は10日、同院で会見し「島民のニーズに対応できる。地域の眼科診療所とも連携して質の高い医療サービスの安定的な提供に努めていきたい」と話した。
宮古病院に常勤眼科医として赴任したのは若山美紀医師。
千葉県出身で99年に順天堂大学医学部を卒業後、千葉大学眼科に入局。総合病院や大学病院などで勤務した。
2004年に眼科専門医を取得。宮古病院に赴任する前は千葉市立海浜病院に勤務していた。
会見で若山医師は「施設も揃っていて、ここで働ければ良いなと思っていた。眼科スタッフ一同、微力ながら宮古島の医療に貢献できれば」と抱負を語った。
また、若山医師の赴任に伴い、宮古病院では初となる視能訓練士の川内大夢さんが南部医療センター・こども医療センターから赴任。眼科診療に当たっての必要な検査や斜視、視力の弱い子供の検査などに対応する。
外来診療は毎週、月、水、金で時間は午前9時~午前11時。午後は予約診療。一日の患者数は15人程度を見込んでいる。白内障など一般的な眼科の手術にも対応する。
常勤眼科医の確保は離島だけでなく、県内でも課題となっている。県内六つの県立病院で常勤眼科医がいるのは南部医療センター・こども医療センターだけだった。
若山医師の赴任により宮古病院では①眼科外来受診への島民のニーズへの対応②救急患者の治療が早急に対応できる③最新のOCT(光干渉断層計)検査が行える④糖尿病などの他の診療科の患者に対する診療連携を院内でスムーズに連携できる-などさまざまな観点から効果が期待できるとしている。
特にこれまでは南部医療センター・こども医療センターで治療していた未熟児網膜症の治療が若山医師の赴任で宮古病院でも可能となり、保護者の経済面や精神面などの負担軽減が図られるとしている。
会見に同席した県病院事業局の我那覇仁局長は、眼科医の絶対数が減少している中での若山医師の赴任は、病院スタッフや事業局の人材確保班がタイアップして取り組んだ成果だと強調。「地域完結型の医療ができれば素晴らしい。宮古病院の充実発展を期待している」と話した。