100日間の滞在確認/コウノトリ
伊良部 干潟で餌ついばむ
池間島に飛来し、その後伊良部島で過ごしている国の特別天然記念物、コウノトリ(コウノトリ科)は5日で滞在日数が100日目を迎えた。干潮時には広大な遠浅が干上がる佐和田の浜に舞い下り、甲殻類の餌をついばむ。餌が取りやすい快適な環境の条件から、滞在期間はさらに更新しそうだ。
佐和田の浜は日本の渚百選に選定された美しい自然を形成する。遠浅には奇岩珍岩が点在し、コウノトリは大きな岩礁の上で翼を休めたりしている。無数の大岩の先にエメラルドグリーンの海が広がり、沖合側に長いサンゴ礁が横たわる。
滞在中のコウノトリは3月28日に池間島で初確認された。カラーリング(色足環)が装着され、識別番号は「J0067」。その識別番号から兵庫県豊岡市で巣立ったコウノトリであることが分かった。
兵庫県から宮古島までの直線距離は約1500㌔。宮古島に飛来する前は奄美大島で滞在していたという。
豊岡市は1971年、野生最後のコウノトリ1羽を保護したが、手厚い介護もむなしく死亡した。日本から野生のコウノトリは絶滅した。同市はその後、人工繁殖を経て2005年に最初のコウノトリを試験放鳥した。
同市コウノトリ共生課によると、7月2日現在でコウノトリの生息数は130羽という。同課の大逸優人さんは「コウノトリは日本列島を移動する鳥なので、宮古島市の市民や観光客はしっかり見守ってほしい」と呼び掛けている。
激しい雨が降った5日午後2時すぎ、伊良部で滞在中のコウノトリは陸地の草地を散歩していた。
コウノトリ 大型の水辺の鳥。体の大部分は白色で、翼の一部は黒色。くちばしはまっすぐに伸びて黒く、足は赤色。成鳥は体長約100㌢、体重4~5㌔、翼を広げた大きさは畳の長さ182㌢より長い200㌢前後。