漁業のまちで旧正月/親せき集い新年祝う
航海安全、大漁を祈願
漁業のまちの佐良浜や池間、久松では5日、旧暦の年の始まりを祝う旧正月が盛大に行われた。佐良浜漁港では数十隻の漁船に日の丸や大漁、航海安全を祈願する色鮮やかな旗が掲げられ、旧正月ムードを盛り上げた。島には新しい年を迎えた島民の笑顔が広がり、各家庭には親せきや友人、知人らが集い、豪華な料理を囲みながら酒を酌み交わして楽しいひとときを過ごした。
一昔前まで宮古では、新旧の正月が盛大に行われていた。しかし、1950年代の後半から新正月一本化運動があり新正月中心に変わり、旧正月は旧暦と仕事や生活が密着する漁村だけに残った。
伊良部前里添の長嶺政二さん宅には昭和25年生まれの同期生たちが集まり、思い出話に花を咲かせながら旧正月を祝った。
長嶺さんがたちは7年前から旧正月に同期生の家を順番に訪問しながら祝うことしに、旧正月は互いの近況の確認と絆を深める特別な日となっている。
メンバーからは「もう70歳近くになり、参加できるメンバーも減ってきている。それでも、こうして同期生が元気にしていることを確認できれば健康で元気に頑張ろうという気持ちになる。80歳まではみんなで旧正月を祝いたい」と笑顔で話した。
佐良浜では午前中、本家に向かって分家の関係者らが盆にごちそうを乗せて通りを歩く姿が見られ、持ち寄ったごちそうを神棚や仏壇に供え、先祖に手を合わせた。
旧正月を祝う各家庭のテーブルには、イカやタコ、魚の刺し身や豚肉、豚ソーキなど正月ならではの料理が並び、島は旧正月一色となった。