市内で地価二極化
住宅地、商業地とも上昇
19年地価公示 局所的には高騰も
【那覇支社】沖縄総合事務局は19日、2019年地価公示調査結果を発表した。宮古島市では、観光業を中心とした好調な経済を背景に住宅地平均価格の変動率は前年比1・8%プラス、商業地では2・8%プラスとなった。平良地区の住宅地価格が上昇する一方で、城辺・上野地区では横ばいとなるなど市内で二極化が進んだほか、リゾート系の土地で局所的な高騰が見られるという。
宮古島市では、商業地は2地点、住宅地は6地点に標準地番が設定されている。地価の高騰が取り沙汰される伊良部での標準地番設定はないが、地価公示分科会代表幹事の高平光一氏は「伊良部島を含め、ホテル建設地や眺望の良い土地などの局所的な取引価格の高騰はみられるが、それ以外の既存住宅地などの価格はそこまで急激な変動はみられない」と指摘した。
商業地の地価は、平良字西里羽立391番外の「ジブラルタ生命」が1平方㍍当たり6万3600円(前年比5・1%上昇)、平良字下里西里61番外は同4万800円(同0・5%上昇)となった。
住宅地は、平良字西里前比屋273番が同3万8900円(同6・6%上昇)、平良字下里大原842番1で同3万2900円(同3・1%上昇)となり、平良地区の地価は上昇した。
今後の見通しについて、高平氏は「公共事業や自衛隊の工事、ホテルなどの開発ラッシュを重視すれば短期的なものとの見立てもできるが、工事が終わってもホテル勤務の人が増え、自衛隊が来れば店も増えることを考えると長期的に続く可能性もある。評価員でも意見が分かれている」とした。
県全体では、住宅地平均価格が前年比8・5%、商業地が同10・3%、工業地が同17・8%上昇し、それぞれ伸び率が全国トップとなった。住宅地と商業地ともに、2014年から上昇を継続している。
県内の商業地最高価格地は18年連続で那覇市久茂地3丁目1番1で1平方㍍当たり140万円(前年比38・6%上昇)。商業地の平均価格が最も高かったのは那覇市の同33万7300円(同17・5%上昇)だった。
住宅地の最高価格地は8年連続で那覇市おもろまち3丁目6番11で同35万1000円(同30%上昇)。住宅地の平均価格が最も高かったのは、那覇市の同16万200円(同10・6%上昇)だった。