彩り鮮やかな地域に/地盛農村公園周辺
遊歩道に桜と花々/「里山の会」メンバーが整備
平良地盛地区を訪れると、地盛農村公園周辺は目を引く光景が広がる。数年前に「桜の名所」を目指して遊歩道脇に植えられた80本のカンヒザクラの周囲には、いろいろな花々が咲き誇り、彩り鮮やかなエリアとして人気を博している。
この地区を整備しているのは、2015年4月に発足した「地盛里山の会」(佐藤勇寿会長)のメンバーだ。
「地盛を宮古島の桜の名所にしたい」との思いで、これまで同園周辺の自治会所有地にカンヒザクラの苗80本を植え付けて、会員たちが管理してきた。
さらに、常にきれいな景色を提供したいとの思いから、カンヒザクラだけでなく、いろいろな花を植え付けている。最近では年間を通して花々で彩られた場所として人気のエリアとなっている。
桜並木には現在、ユリやコスモス、テンニンギクなどが咲き、初夏の風に揺れる花々が見る者を楽しませている。
佐藤会長は「以前この辺は、雑草が生い茂って不法投棄ごみなども多かったが、こうしてきれいにすることで訪れた人たちに喜んでもらえるような場所になってうれしい」と話した。
岩手県出身の佐藤さんは、現在70歳。妻のふるさとである宮古島に10年前に移住。山育ちだったこともあり、宮古に「里山」をつくりたいとの思いも強かったという。
「こうして素晴らしい場所が近くにあって、この里山づくりは私の最後の仕事だと思って楽しみながらやっているよ」と笑顔になった。
この取り組みは雑木が生い茂っていた約2000平方㍍の自治会所有地を里山として景観整備することを目的にスタート。
「里山の会」の活動方針を話し合う中で、宝くじの社会貢献広報事業として桜の若木の寄贈が行われていることを知り、それを活用して桜を植樹。桜並木と遊歩道を整備した。
佐藤会長は、同会の活動を紹介する「会報」をこれまで21号発行。会員たちが汗を流して作業をする風景や、少しずつ成長する桜の木、花々の種類が増え彩りを増していく里山の姿を紹介してきた。
今後について、佐藤会長は「最近は同窓会や園児や児童たちの遠足の場所としてもここは人気になっている。さらにエリアを広げる計画もあるので、宮古島の桜の名所として、そして年中、花々が咲き誇り、訪れた人たちの目を楽しませることができる場所としてアピールしていきたい」と意欲を示した。
「里山」とは、人の手が入らず、そのままの状態の原生自然に対して、人が手を入れてつくられた自然のことをいう。